葬儀の流れを初めての喪主向けに解説|家族葬・一般葬・直葬を比較

初めて喪主を務めるときは、すべてを一度に決める必要はありません。まず葬儀社へ連絡して搬送と安置を整え、そのあとに葬儀の形式・日程・参列範囲・見積もりを家族で確認します。

一般的な順番は、逝去の確認 → 搬送・安置 → 葬儀社との打ち合わせ → 死亡届と火葬許可 → 通夜 → 葬儀・告別式 → 火葬・収骨です。ただし、直葬・火葬式では通夜や告別式を行わず、家族葬でも参列人数や日数は葬儀社のプランによって変わります。

この記事では、初めての喪主が「いま何を決めればよいか」を時系列で整理し、家族葬・一般葬・直葬を比べるときの確認項目までまとめます。

葬儀の流れは何を指す?

葬儀の流れとは、逝去後の搬送と安置から、打ち合わせ、必要な届出、通夜・告別式、火葬・収骨までを進める一連の段取りです。

喪主はすべての作業を自分で行う人ではなく、家族側の窓口として主な判断をまとめる役です。実際の搬送、会場設営、司会進行、火葬場との調整などは葬儀社が担うことが多いため、喪主が優先すべきなのは次の3点です。

  1. 家族・親族へ同じ情報を共有する
  2. 葬儀社から提示された内容と費用を確認する
  3. 決めたことを記録し、誰が何を担当するか分ける

親が危篤・入院中で、まだ葬儀の段階ではない場合は、先に親が倒れた直後から1週間の動き方を確認してください。病院で聞くことや、きょうだいとの分担を時系列で整理しています。

逝去直後は何をすればいい?

逝去直後に決めるのは、連絡窓口、搬送先、最初に連絡する葬儀社の3つです。葬儀の規模や細かな内容まで、その場で決める必要はありません。

病院で亡くなった場合は、死亡診断書を受け取り、遺体を病院から搬送する段取りに移ります。死亡届には死亡診断書または死体検案書の添付が必要です。

葬儀社へ最初に連絡するときは、次の情報が分かる範囲であれば足ります。

搬送先が未定なら、自宅安置と施設安置の条件、搬送だけで葬儀一式の契約まで確定するかを葬儀社へ確認します。

搬送・安置のあとに喪主が決めることは?

安置後の打ち合わせでは、葬儀の形式だけでなく、日程・会場・参列範囲・宗教者への連絡・見積もりをまとめて決めます。先に「何を大切にしたいか」を家族でそろえておくと、プラン名だけで選ばずに済みます。

主な確認事項は次のとおりです。

家族葬・一般葬・直葬はどう違う?

**違いの中心は、行う儀式と、知らせる人の範囲です。**ただし、家族葬は何人まで、一般葬は何人以上、直葬は必ずこの内容という全国共通の人数・日数としては扱えません。少なくとも今回確認した葬儀事業者2社では、プラン名と分け方が異なります。

この記事では比較のため、通夜・告別式を行わず火葬を中心にする形を「直葬・火葬式」、家族や親しい人を中心に案内する形を「家族葬」、仕事関係や近隣を含めて広く案内する形を「一般葬」と表記します。契約時は名称ではなく、含まれる内容を確認してください。

直葬・火葬式家族葬一般葬
主な流れ安置、出棺、火葬を中心にする通夜・告別式を行う場合と、一日で行う場合がある通夜・告別式を行い、広い範囲へ案内する形が多い
案内する範囲家族など少人数を想定するプランがある家族・親族・親しい人が中心。ただし範囲は各社で異なる親族、友人、近隣、仕事関係など。範囲は各社で異なる
喪主の主な負担式の準備は少ないが、お別れの時間と方法を確認する誰まで知らせるかの線引きと、後日の弔問対応参列者への連絡、受付、返礼品、飲食などの調整
契約前の確認面会・お別れ・宗教者の同席ができるか参列人数の上限ではなく、式・会場・返礼品の範囲人数増加時の会場費、返礼品、飲食費、スタッフ費

家族葬を選んでも、親しい友人を招いてはいけないわけではありません。反対に「家族葬だから」と親族への連絡を省くと、葬儀後に知った人から説明を求められることがあります。名称よりも、誰に知らせ、誰に参列してもらい、参列しない人へいつ伝えるかを決めるほうが実務では重要です。

直葬・火葬式は儀式を省く分、打ち合わせ項目が少なくなる傾向がありますが、「何もできない」と決まっているわけではありません。安置中に面会できるか、火葬前に花を入れる時間があるか、宗教者に来てもらえるかはプランと施設で異なるため、希望があれば契約前に伝えます。

葬儀の公式プラン料金はどこまで参考になる?

公式プラン料金は、形式ごとの大まかな差をつかむ材料にはなります。ただし、プラン価格を葬儀の総額とは考えず、火葬料金、安置の超過、搬送距離、式場、飲食、返礼品などを別に確認する必要があります。

2026年8月9日に確認した2社の公式料金は次のとおりです。各社でプランの切り方が違うため、同一条件の価格ランキングではありません。

事業者公式プラン名税込価格公式ページ上の内容・注意
小さなお葬式お別れプラン97,900円1日間・出棺のみ。火葬料金は別途
小さなお葬式一日葬プラン328,900円1日間・告別式と出棺。火葬料金は別途
小さなお葬式二日葬プラン438,900円2日間・通夜式、告別式、出棺。火葬料金は別途
小さなお葬式一般葬プラン603,900円2日間・通夜式、告別式、出棺。火葬料金は別途
よりそうお葬式火葬式116,600円〜1〜10名程の案内。火葬料金は別途
よりそうお葬式家族葬330,000円〜1〜30名程の案内。火葬料金と所定日数を超える安置は別途
よりそうお葬式一般葬676,500円100名程までの案内。火葬料金と所定日数を超える安置は別途

出典:小さなお葬式「プラン一覧」よりそうお葬式「葬儀プラン」(いずれも2026年8月9日確認)。

表から分かるのは「一般葬がいくら、家族葬がいくら」という共通相場ではなく、同じ事業者でも式を行う日数や参列範囲で公式プラン料金が変わり、別途費用の条件もあるということです。自分の葬儀では、プラン名を横に並べるより、同じ希望条件を2社以上へ伝えて見積書の内訳を比べるほうが判断しやすくなります。

見積もりで追加費用を確認するには?

見積もりでは、合計額より先に**「どの条件が変わると追加になるか」**を確認します。特に、搬送・安置・火葬場・式場は、日数や距離によって金額が動きやすい項目です。

最低限、次の項目を見積書または別紙で確認してください。

消費者庁は2021年7月2日、株式会社ユニクエストの過去の表示について景品表示法に基づく課徴金納付命令を公表しました。対象となった表示期間は2016年4月から2017年12月までで、「追加料金一切不要」などの表示に対し、搬送距離、安置日数、ドライアイス、火葬場利用料、外部式場利用料などの条件によって追加料金が発生する場合があったと認定したものです。

これは過去の表示に対する処分であり、現在の事業者を同じ内容で評価するものではありません。現在の小さなお葬式の公式プランページには、火葬料金が別途負担であることが明記されています。過去の事例から喪主側が学べるのは、「追加料金があるか」だけでなく、「どんな条件で、いくら追加になるか」を契約前に書面で確かめるという点です。

出典:消費者庁「株式会社ユニクエストに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」(2021年7月2日公表、2026年8月9日確認)、小さなお葬式「プラン一覧」(2026年8月9日確認)。

死亡届と火葬許可はいつ、どこへ出す?

死亡届は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。国外で死亡があった場合は、その事実を知った日から3か月以内です。戸籍法86条2項により、死亡診断書または死体検案書を添付します。

出典:e-Gov法令検索「戸籍法86条」(2026年8月9日確認)。

自治体の案内例として、横浜市は提出先を死亡地、死亡した人の本籍地、届出人の所在地のいずれかとしています。また、火葬を行う場合は死亡届とあわせて火埋葬許可申請書を提出し、区役所が火葬許可証を発行すると案内しています。窓口や様式は提出先の自治体で確認してください。

横浜市では2026年3月9日から、戸籍システム標準化に伴って証明書のタイトルが「火葬許可証」へ変更されています。古い案内で「埋火葬許可証」と書かれていることがありますが、名称の表示は自治体の最新案内で確認してください。夜間・休日の届出は預かり扱いとなり、翌開庁日以降に内容を確認すると案内されているため、同時に許可証を受け取れるかも窓口へ確認します。

出典:横浜市「死亡届」(2026年8月9日確認)。

届出を葬儀社が補助する場合でも、届出人となる人、記載内容、提出先、火葬許可証を誰が受け取って保管するかは家族側でも確認してください。死亡届の提出期限と、葬儀をいつ行うかは別の話です。7日以内だから7日目まで何もしなくてよい、という意味ではありません。

火葬は亡くなった当日にできる?

原則として、死亡後24時間を経過する前には火葬できません。墓地、埋葬等に関する法律3条は、別の法令に定めがある場合などを除き、死亡または死産後24時間を経過した後でなければ埋葬・火葬を行ってはならないと定めています。

また、同法5条により、火葬には市町村長の許可が必要です。火葬場の空き、式場、宗教者、家族の移動などでも日程は変わるため、「直葬なら亡くなった当日に火葬できる」とは考えず、安置が何日になる可能性があるかを見積もりに反映してもらいます。

出典:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律3条」同法5条(いずれも2026年8月9日確認)。

通夜から火葬まではどう進む?

二日間の形では、初日に通夜、翌日に葬儀・告別式、出棺、火葬、収骨へ進むのが一例です。一日葬は通夜を省き、直葬・火葬式は式を行わず安置後に出棺するなど、選んだ内容で流れが短くなります。

通夜前は受付、返礼品、供花・弔電の名前、宗教者への対応、喪主挨拶のタイミングを確認します。葬儀・告別式では式次第と出棺時刻を見て、参列者が増えた場合は返礼品・飲食・座席・受付人員の追加条件を葬儀社へ確認してください。宗派や地域で作法は異なるため、宗教者と葬儀社の案内に従います。

出棺後は火葬場へ移動し、火葬後に収骨します。火葬許可証を誰が持つかを決め、受け取った書類はまとめて保管します。納骨先は葬儀中に決めなくてもかまいません。改葬や永代供養を含めて考える場合は、落ち着いてから墓じまいの費用内訳と自治体の支援制度を確認できます。

葬儀後は何から片づける?

葬儀後は、まず葬儀社からの請求と借用品・預かり品を確認し、そのあとに期限のある公的手続きへ移ります。遺品整理、実家、お墓は大切ですが、すべてを葬儀直後に決める必要はありません。

葬儀社との精算では、最終見積もりから増減した項目、返礼品の使用数、飲食の人数、追加搬送、安置延長、供花などを請求書と照合します。家族の誰かが立て替えた費用は、領収書と支払者を記録しておくと、あとで負担を整理しやすくなります。

次に優先するのは、届出や相続など期限のある手続きです。期限ごとに起算点が異なるため、死亡後・相続手続きを緊急度順に並べた優先順位マップで全体を確認してください。

片づけは、重要書類や通帳、保険、契約関係の資料を先に分け、残す物と処分する物を家族で確認してから始めます。業者へ依頼する場合の費用の幅と確認項目は、遺品整理の費用相場と業者選びの5項目にまとめています。

実家が空き家になる場合も、葬儀直後に売却・解体を決める必要はありません。ただし戸締まり、郵便物、冷蔵庫、公共料金、庭の管理など当面の対応は必要です。出口を考える段階になったら、実家を売る・貸す・解体する・持ち続ける順番で選択肢を比べられます。

よくある質問

葬儀は亡くなってから何日後に行いますか? 決まった日数はありません。火葬は原則として死亡後24時間を経過してからで、実際の日程は火葬場・式場・宗教者・家族の予定、安置の状況によって変わります。葬儀社には、候補日ごとの安置日数と追加費用も一緒に出してもらうと比較しやすくなります。

家族葬は何人までですか? 全国共通の人数としては扱えず、葬儀社のプランによって異なります。今回確認したよりそうお葬式は家族葬を1〜30名程と案内していますが、別の事業者へそのまま当てはめることはできません。人数ではなく、誰に知らせるかと、会場・返礼品・飲食に何人まで含まれるかを確認してください。

直葬でも故人とお別れする時間はありますか? 面会や火葬前のお別れができるプランはありますが、時間・場所・花入れ・宗教者の同席が可能かは葬儀社や火葬場によって異なります。「直葬」という名称だけで判断せず、希望するお別れの方法を契約前に伝えて確認してください。

死亡届は喪主本人が役所へ出さなければなりませんか? 喪主と死亡届の届出人は必ずしも同じではありません。戸籍法87条には届出義務者と、届出できる人が定められています。誰を届出人とし、誰が提出し、火葬許可証を誰が受け取るかを自治体へ確認してください。

葬儀の見積もりで最も確認すべきことは何ですか? プランに含まれる品目だけでなく、追加費用が発生する条件です。搬送距離、安置日数、ドライアイス、火葬場利用料、式場利用料、参列人数による返礼品・飲食費の変化を、金額とともに書面で確認してください。

まとめ

本記事は一般的な葬儀と手続きの流れをまとめたものです。地域、宗派、火葬場、葬儀社によって進め方は異なります。法律・税務・相続に関する個別の判断は、弁護士・司法書士・税理士など各分野の専門家にご相談ください。

出典(2026年8月9日確認)