親が倒れたら最初にすることチェックリスト|入院・仕事・きょうだいの分担を順番に

親が倒れたという連絡を受けた直後は、判断力が落ちます。 考えることが多すぎて、何を先にすべきか分からなくなるのが普通です。

この記事は、その状態でも上から順にたどれるように書いています。 まずは最初の1日にやることだけを見て、先の項目はあとで戻ってきてください。

最初の1日ですることは3つだけ

やることは次の3つです。これ以外は翌日以降でかまいません。

  1. 病院で、診断名・今後の見通し・次に連絡すべき窓口をメモする(口頭で聞いた内容は必ず書き取る)
  2. 職場に第一報を入れる(休みの取り方はまだ決めなくてよい。「家族が救急搬送された」という事実だけ伝える)
  3. きょうだい・親族に同じ内容を共有する(情報がずれると、あとで分担の話がこじれます)

この日に、実家の片付けや介護施設の検討まで進める必要はありません。 急変の前後を含めた全体の順番は、終活でやることを緊急度別に整理した優先順位マップで確認できます。

当日〜3日:病院で確認しておくこと

病院で確認する内容は、治療の話と生活の話に分かれます。 生活の話(退院後どうするか)は、医師ではなく医療ソーシャルワーカーや地域医療連携室が窓口になることが多い点を知っておくと、聞く相手を間違えずに済みます。

聞いておきたいのは次の項目です。

持っていくものは、健康保険証(またはマイナンバーカード)、お薬手帳、印鑑、現金、親の連絡先が分かるものが基本です。

入院してすぐ:医療費の上限を確認する

医療費には、1か月あたりの自己負担に上限を設ける高額療養費制度があります。 上限額は年齢と所得によって決まり、制度の見直しも行われているため、金額は加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険など)と厚生労働省の高額療養費制度のページで確認してください。

窓口での支払いをあらかじめ上限までに抑える手続きがあるため、入院が決まった時点で加入先の保険者に問い合わせておくと、後から払い戻しを待つ必要がなくなります。

1週間以内:仕事をどう調整するか

使える制度は大きく2つあり、期間の長さで使い分けます

介護休暇介護休業
想定する場面通院の付き添い・手続きなど単発の用事退院調整や介護態勢づくりでまとまった時間が要るとき
取れる量対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日対象家族1人につき3回まで、通算93日
取り方1日または時間単位分割して3回まで
申し出当日の申し出にも対応が求められる原則として開始予定日の2週間前までに書面等で
収入の補い有給か無給かは勤務先の規定による雇用保険から介護休業給付金(開始時賃金日額の67%相当額)

いずれも厚生労働省の介護休業制度特設サイト介護休暇のページに基づく内容です。 介護休業の対象になるのは「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」の家族で、有期雇用の場合は別途要件があります。

実務上は、まず介護休暇で当面をしのぎ、見通しが立ってから介護休業を申し出る流れが現実的です。 介護休業は原則2週間前の申し出が必要なため、倒れた当日にいきなり使える制度ではありません。

できるだけ早く:地域包括支援センターに連絡する

介護保険を使う入口は、病院ではなく市区町村です。その最初の相談窓口が地域包括支援センターです。

地域包括支援センターは市町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などが配置されています。 厚生労働省の資料によると、令和7年4月末時点で全国に5,487か所(支所を含めると7,374か所)が設置されています(厚生労働省「地域包括ケアシステム」)。 相談自体に費用はかかりません。

介護保険サービスを使うには要介護認定の申請が必要で、申請から認定の通知までは原則30日以内とされています(厚生労働省「要介護認定」)。 認定には時間がかかるため、退院の見通しが立ってから動くのではなく、入院中に並行して申請しておくほうが間に合いやすくなります。

きょうだいで分担を決める

倒れた直後にもめる原因の多くは、金額そのものより「誰が何をやるか決まっていないこと」です。 最初に役割を分けておくと、あとから「自分ばかり負担している」という不満が生まれにくくなります。

担当に向いている条件最初に決めておくこと
病院・医療の窓口平日に連絡が取れる、病院に近い説明を聞いたら共有する方法(メモを共有する等)
お金の管理記録をこまめに残せる立て替えの記録の付け方と精算のタイミング
手続き・書類平日に役所へ行ける誰の分の委任状・本人確認書類が要るか
実家の管理実家に近い郵便物・戸締まり・公共料金をどうするか

遠方に住んでいて動けない人は、金銭面や電話での連絡係など別の形で分担すると決めておくと、公平感が保ちやすくなります。 将来的に実家をどうするかという判断は落ち着いてからでよく、その比較材料は実家を売る・貸す・解体する・そのまま持つの4択を比較した記事にまとめています。 同じく落ち着いてからでよい片付けとお墓については、遺品整理の費用相場と業者選びのポイント墓じまいの費用相場と自治体補助金の探し方で費用の幅を先に把握しておくと、分担の話がしやすくなります。

相談先の使い分け

窓口が多く見えますが、聞く内容で分かれています。

よくある質問

親が倒れたら最初に何をすればいいですか? 病院で診断名と今後の見通しを書き取ること、職場に第一報を入れること、きょうだいや親族に同じ内容を共有することの3つです。介護施設や実家の片付けの検討は当日に決める必要がなく、翌日以降に回して問題ありません。

介護のために仕事を休む制度にはどんなものがありますか? 育児・介護休業法にもとづく介護休暇と介護休業があります。介護休暇は対象家族1人につき年5日(2人以上なら年10日)で1日または時間単位、介護休業は対象家族1人につき3回まで通算93日まで取得でき、雇用保険から開始時賃金日額の67%相当額の介護休業給付金が支給されます。詳しい要件は厚生労働省の介護休業制度特設サイトで確認してください。

地域包括支援センターにはいつ連絡すればいいですか? 入院中でかまいません。要介護認定は申請から通知まで原則30日以内とされており、退院してから動くと在宅サービスの開始が遅れることがあります。相談は無料で、どのセンターが担当かは親が住む市区町村の窓口で分かります。

きょうだいと費用や役割でもめないためにできることはありますか? 最初に役割を分け、立て替えた費用の記録の付け方と精算のタイミングを決めておく方法があります。金額の分け方そのものに法的な決まりはなく話し合いで決めるため、後から思い出すのではなく、その場で残す形にしておくと食い違いが起きにくくなります。

親が退職していて健康保険がよく分からない場合はどうすればいいですか? 保険証(またはマイナンバーカードの資格情報)を確認し、記載されている保険者に問い合わせるのが確実です。75歳以上であれば後期高齢者医療制度、それ以外は国民健康保険か家族の被扶養者であることが多く、いずれの場合も市区町村の窓口で加入状況を確認できます。

まとめ